「削り」いよいよ?

荒節は半日か1日程よく日にあて、樽か箱に詰めてからさらに2、3日おきます。そして表面が湿り気をおびてきたら、「削り」の作業に入ります。
「削り」は何回となく焙乾を続り返したために表面いっぱいに付着したタール分と、焙乾中ににじみでた脂防分をまずとり払わう為に行われます。また、同時に形を整える目的もあります。荒節は焙乾によって熱を加えられていたために、凹凸があったり、曲がっていることがあります。このまま次の工程の「日乾」「カビつけ」に入っていけば、形の悪い本枯れ節ができ上がってしまいます。そのようなことがないように、ここできちんときれいな形にし上げておきます。また、他にも、害虫や不良なカビを防いで保存力を高めたり、香りを保ったりする役目も担っています。「削り」という呼び名ですが、節の形を整えるという意味から「節削り」、「削作り」ともいわれます。
こうして削り上げられた節は、真っ黒だった荒節から一変し、赤褐色を呈します。そこからこの節は「赤むき」「赤はぎ」と呼ばれることもありますが、通常は「裸節」といわれます。