「五感によって」

視覚、触覚、臭覚、聴覚、味覚の五感によって私たちは食べ物の“おいしさ”を味わっています。しかし、“おいしさ”は五感以外にも微妙な面で影響を受けます。病気をしていたり、心配ごとがあったりすると、たとえ好物であっても、ものをおいしく感じられにくくなります。反対に嬉しいことがあったり、気の合った仲間と楽しく食事をするときは、どんなものでもおいしく思えます。つまり“おいしさ”とは、五感にプラスしてこれらの不確定な条件によって左右されるもので、これといった決まった成分がつくりだすものではないのです。