日本独自のうま味文化!

先日は五感についてお話ししましたが、“うま味”はまったく異なります。“うま味”は、甘味、酸味、塩味、苦味などと同様に、基本の味の一つです。これらの味はそれぞれが特定の成分によってつくりだされます。たとえば、甘味ならしょ糖、酸味なら酢酸、塩味なら食塩、苦味ならキニーネ、そしてうま味ならグルタミン酸やイノシン酸です。
 かつお節はイノシン酸をはじめとするさまざまなうま味成分によって、独特な味がつくられます。“おいしさ”のように、さまざまな好条件のもと、五感を通して生まれるものとはこの点が根本的に違います。特定の成分以外には何ものによってもつくられない味、それがかつお節の“うま味”なのです。かつお節は他国に類のない日本独自の食品です。それだからこそ、かつお節は日本がうみだした独特のうま味文化といえるのです。