宗田節その二

宗田鰹と普通の鰹は何が違うの?そこにふれてなかったので少し説明しますと、私たちは知っている普通の鰹はたたきや刺身でも流通していますが、宗田鰹は血合いが多く特に痛みやすく、鮮度の落ちの早い魚と言われています。そのため刺身での流通は限られています。
宗田節の製造方法としては原魚を割って節にする割節と、丸のままを節にする丸節とがあります。四国の土佐清水では割目近節が主体で、丸目近節はほとんど製造しません。しかし別の地域では丸目近節を生産の中心に据えているところもあります。
 宗田節でとっただしは味が濃厚で色がつくのが特徴です。そのため上品な味や色合いに仕立てたい椀物には向きませんが、そばつゆやうどんなどの濃いだしをとるには最適です。じっくり時間をかけることでうま味が引き出されます。中でも割目近節でとっただしはコクがあり、一方丸目近節はあっさりしています。
 そば店でそうだ節を主体にして使うのが関東です。ただし単品では使用しません。さば節と混合したり、さらにかつお節も加えたりして用います。こうすることでそれぞれの節の長所を引き出し、おいしいだしを追及するのです。